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2010年11月 アーカイブ

植物の均衡状態とその回復 3

日本において外国から導入した牧草を栽培するためには何が必要でしょうか。


その土地本来の自生の放牧牧野のシバ草地、1年ないし4年に1回、刈ったり焼いたりする粗放な人為的干渉と共存して持続しているカヤ野原・・・


すなわち、関東のアズマネザサ-ススキ草原、関西のネザサ-ススキ草原などでは、まずブルドーザーで開墾し、あるいはクワで掘りおこして完全に整地し、その上で石灰窒素や硫酸アンモニア(硫安)などの窒素性の化学肥料を十分に施肥しながら人工的に播種する必要があります。


整地して播かれたカモガヤなどのヨーロッパの有用牧草は、十分に草が伸び、家畜の飼料として収穫出来るようになるまでには2年ないし3年かかります。


6年目ぐらいまではきわめて多くの有用牧草を生産します。


しかし、7、8年たつと、だんだんと外来草種は成長度がおとろえ、そして収量もおちてきます。


したがって、日本で外国の牧草を栽培するためには、結果的には7、8年に1回はブルドーザーで再びおこして耕し、新しい種子をまかない限り、人工草地・牧野として存続させることが困難なのです。


これが、その土地本来の種類による牧野形成と、外国の固有の風土の中で長い時間をかけて、一定の人間の影響とつり合って成立した牧草を安直に導入して栽培する移入草種による場合との基本的な違いなのです。

その土地本来の植生という意味

戦後、急速な開発で日本列島は傷だらけといわれましたが、むき出しになった地肌・斜面を何とか早く緑化しようと、さまざまな試みがなされました。


生きた構築材料を使っての緑づくりは、鉄・セメント・石油化学製品などの死んだ材料を使っての人工構造物と本質的に異なります。


その発達には多少の時間がかかるのを避けることができません。


生物的な時間を無視して道路が開通する時、また住宅が出来た時に、道路ぞいや住宅を取り囲んでいる傷ついた裸地の斜面を、生きた構築材料、即ち植生を使って緑化しようとすることがあります。


いろいろと非生物的な材料と同じ考え方が試みられ、外国の牧草が導入されました。


ウィーピング・ラブグラス、イタリアン・ライグラスなどのハイカラな名前のついている外国産の牧草は、化学肥料をまぶして斜面に吹きつければ裸地に急速に生育します。


たしかに、よそ者の草種は長い間それぞれの場所で人工的な努力も含めて品種改良が進んでいるので、発芽率はほとんど100パーセント近いのです。


同時に、さまざまな化学肥料とまぜ合わせたふきつけ牧草などは急速に発芽し、その斜面を緑に見せます。


イタリアン・ライグラスなどはあっという間に80センチ、あるいは1メートル近く生長して、それが斜面の下方にたれて裸地を被います。


見かけ上は急速に緑になるのです。

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