空間づくりと照明 2
「日本人のへそ」の上演に当たって、一杯飾りの舞台をデザインしたのは「舞台転換は瞬時に行なうこと」を突き詰めて・・・
この諸々の条件を考えるとセットの転換は不可能で、明かりで転換するのが最善であるとの判断をしたと受けとめました。
彼から下駄をあずけられた格好になってしまいました。
その頃まで新劇はほとんどが写実劇で各場面を写実的な明かりで組立てなければならないと考えられていました。
この芝居ではそれは不可能です。
かくれん棒でなければ・・・。
2間半四方ほどの空間が、汽車の中だったと思っていたら、次の瞬間上野駅になり、次の一瞬、洗濯屋の2階になるというのでは写実的な明かりを創るのは不可能です。
象徴的様式的な明かり以外に創りようがないと判断して、芝居のエリアと光の方向だけで各場面を組み立て、色を使うと余計な意味を持ってしまうので、すべてノーカラーという当時では珍しい手法で創りました。
心配していたお客さんの反響も、カラフルな舞台で楽しかったと大方好評のようでした。
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